大橋ゆきおの雑学講座「消費税が抱える問題点」

 日本の税制は「累進性構造」を基本としています。「累進性構造」とは所得が多い人は税率が高く、税金も多く払うことです。消費税は元々、累進制とは反対の逆進性を持った税制で、その税率を上げることでますます逆進性は顕著に現れます。

 左のグラフが、収入階級別の税金(所得税+住民税+消費税)の収入に対する負担率です。消費税で若干の逆進は見られますが、税金の合計では累進性のきれいなカーブが描かれます。ところが、右のグラフのように消費税を15%にした場合、累進性が完全に崩れ、消費税の負担率における逆進性はいっそう顕著に現れます。更に収入階級が低いレベルでの負担率が2倍近くになってしまいます。
 今の日本の借金(国債と地方債と借入金の合計)は、約660兆円。国民一人当たり550万円借金をしていることになります。私は国民の一人として、「これから未来を生きる子供達のためにも、何らかの形での増税もやむなし」、と思いますが、現在まで日本が築き上げてきた”累進性”という良い部分は崩してはいけないと考えております。

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