大橋ゆきおの雑学講座「THE天引き(社会保障編)」(03/05/16)

 市政便り22号に、社会保障制度について解説する雑学講座を掲載しました。一人のサラリーマンをモデルに社会保障について受益と負担について検証したものです。お読みになりましてご意見等ありましたらメールにて御連絡をお願いいたします。
〜〜大橋ゆきおの雑学講座「THE天引き」(社会保障編)〜〜

 左表中 所得税・住民税など、”〜税”というものが租税負担と呼ばれ、健康保険料・介護保険料など、”〜保険料”というものが社会保障負担と呼ばれます。黄色で塗りつぶしたものが社会保障負担に該当します。今回は、45才のサラリーマン”りょういちさん”をモデルに負担と受益の関係を検証します。 モデル人物=りょういちさん
年齢:45歳
給与:36万円
賞与:68万円
職業:設計技師
家族:妻と子供2人
健康保険料
健康保険制度は大きく2つに分かれており、サラリーマンなどを対象とした健康保険(被用者保険)と自営業者などを対象とした国民健康保険に分かれます。医療費(診療報酬と薬価)に対する保険料です。
●負担
給与より11,520円/月、賞与より21,760円/2回・年、年間合計181,760円が天引きされます。
●受益
もし、健康保険制度がなく家族4名が月に1回病院で診療を受け、薬をもらったと仮定すると、全額実費で支払ったとすると年間合計384,000円自己負担しなければなりません。(現制度下では11万円程度の自己負担)


介護保険料
介護保険制度は、介護が必要になった高齢者が、自立した生活を送れるような支援を、家族と社会全体でささえていこうとして生まれたものです。
●負担
給与より1,548円/月、賞与より2,924円/2回・年、年間合計24,424円が天引きされます。
●受益
要介護認定を受け、施設入所したとして、全額実費で支払ったとすると年間合計3,960,000円自己負担しなければなりません。(現制度下では39万円程度の自己負担)
厚生年金保険料
タイトルは厚生年金としましたが、公的年金は大きく2つに分かれており、サラリーマンなどを対象とした厚生年金と自営業者などを対象とした国民年金に分かれます。
●負担
給与より24,444円/月、賞与より46,172円/2回・年、年間合計385,672円が天引きされます。
●受益
給与額や加入期間によって支給額が異なるため表現が難しいですが通常、年間合計1,000,000円〜3,000,000円が支給されます。

雇用保険料
退職時や離職時に支払われる保険で、一般的には次の職業が見つかるまでの生活費補助となります。
●負担
給与より2,541円/月、賞与より3,322円/2回・年、年間合計37,136円が天引きされます。
●受益
離職期間中、総額1,080,000円が支給されます。


〜〜まとめ〜〜
 実際にはあり得ないことですが、これら社会保障の負担と受益の金額を合計すると負担が約60万円受益が約840万円ということになります。これは日本の社会保障制度が機能していることを表していますが、どの制度も財政的には困窮していることが事実です。政府の動きとして、受益者負担を大きくして(保険料等を高くして)財政難改善を図っておりますがそれは間違いです。国庫支出金での繰り入れを多くし受益者負担は下げるよう調整すべきです。ちなみに、御殿場市議会では公的年金の国庫支出金拡充の意見書を政府に提出しました。こうした地方からの声で政府を動かしたいと考えます。



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