03年12月一般質問ライブ(03/12/18)

 12/10に一般質問を行いました。一期目最後の一般質問になります。重点政策の財政をテーマに経常収支比率に絞り質問を行いました。

「御殿場市の財政状況について」
質問

 主要な財政指標である標準財政規模や公債費比率を評価すると、当市の財政状況は、概ね健全財政を維持していることがいえるかと思う。
しかし、80%を越えると財政は硬直するといわれている経常収支比率だけは、当市は78.7%であり、硬直化のボーダラインに極めて近い数値になっている。
 又、当局は10年先までの経常収支比率の予測をたてているとのことだが、平成14年度においては経常一般財源が下がるという今までになかった傾向が初めて現れたのではないか。そうすると、その予測も修正しなければないないのではないか。
 また、当局は健全財政を維持するために、行政評価、事業別予算や財務諸表などのツールを使っているが、それぞれが何の関連もなく単発で作成されている気がしてならない。以上の前提の元、以下の質問をする。
@平成14年度の経常収支比率をどう判断しているか。
A経常収支比率を下げるためどんな方策を考えているか。
B財政分析のツールをどのように評価し、将来的にどうリンクさせようとしているのか。

答弁

@法人市民税が大幅な減収となったこと、預金利子の減収に伴う利子割交付金や個人消費の伸び悩み等による地方消費税交付金等の大幅な減収が要因で1.5ポイント上昇したが、全国的に硬直化傾向にある中で、本市の状況を考慮すると健全ラインを維持できたと判断する。
A基本的な考え方である最少の経費で最大の効果を上げるという財政の効率的運用を、予算編成や執行時の全庁的な基本方針に掲げ、経常経費の縮減に努めて参りたい。
B合理的政策・事業などを評価し、結果を適切に施策に反映させていく必要性を認識しているところであり、政策の意思決定におきましても、有効なツールとして活用できるシステムを目指す。



まずは、私の一回目の質問から

 一般質問をさせていただきます。私は、毎年一回、財政に関わる質問を行っております。過去の質問のくり返しになる部分もありますが、今回は平成14年度の決算を切り口にして、経常収支比率に絞り、その細部について質問をいたします。
 まず、当市の平成14年度の財政状況について所見を述べさせていただきます。総論から申し上げれば、依然として健全財政を維持していることがいえるかと思います。更に、私は平成1年からの各財政指標を調査しておりますが、主要な指標についての評価を述べさせていただきます。
 財政の規模を示す標準財政規模は、平成9年から10年にかけて下降しただけで、その他の年度については年次上昇しており、財政の規模を拡大させております。
 また、公債費比率については、最低値が7.9%、最高値が9.6%であり、これは驚異的な数値といっても過言ではないかと思います。更にここ数年間で、1ポイント以上低下させるなど財政運営の努力の成果がみられるところです。
 総じて健全財政と考えられる中、財政の質問をする意図は、例えれば牽制球を投げる意味合いを持っております。牽制球を投げる着眼点というのは、経常収支比率です。毎年、決算状況が公表され、その健全ぶりに安心すると同時に、経常収支比をみると「それ以外は、健全な数値なのに、なぜこのような結果になってしまうのか」と一抹の不安を覚えるのが毎年の恒例となってきました。以下その理由を申し上げます。
@
まず、通説では同指標は80%を越えると、財政は硬直しているといわれております。当市は、78.7%であり、きわめてその数値に近づいていること。更にいえば、分母である経常一般財源から臨時財政対策債と減税補填債とを省けば83.4%。これは硬直化のボーダーラインを超えていること。
Aまた、昨年に対し、1.5ポイント上昇しております同指標は平成1年から年次上昇を続けておりますが、今年はその要因が、従来になかったものではないかと考えられるからです。まず、分子である経常充当一般財源は昨年と同様の数値です。従来、上昇の一途をたどった数値を前年並みに抑制したことは行政運営の効率化として高く評価するものです。しかし、今回は初めて分母である経常一般財源が低下するというここ数年来に無かった現象が現れております。
 当局は過去の答弁で「10年先までの経常収支比率の見込みをたてている。平成19年度にピークを迎える。その際は、80%を越えるかもしれない。しかし、その後は下がる傾向となり、70%後半で推移してゆく。」ということでした。しかし、それは、経常一般財源が従来のように上昇傾向にある中での見込みであり、今回のように下降傾向が数年続けば、その見込みも修正せざるを得ないのではないでしょうか?
 当局からすれば、私の質問が神経質に聞こえるかもしれません。しかしながら、経常収支比が表現している弾力性とは市民にどれだけ夢を与えられる事業が出来るかどうかを表す数値であり、言い方を変えれば、多様化・変革化する市民ニーズにどれくらい対応できるかを表す重要な指標であるが故に、こだわりをもってみております。

 ここで質問になりますが、以下の質問についてご答弁をお願いいたします。
@
平成14年度の経常収支比率をどのように判断していますか。
A経常収支比率を下げるためにどんな方策を考えていますか。
以上、質問といたします。

御殿場市一回目答弁(杉田企画部長)
 一点目の、平成14年度の経常収支比率の判断について、お答えいたします。
 経常収支比率は、財政構造の弾力性を判断する比率でありまして、人件費、扶助費、公債費などの義務的経費に対し、市税を中心とする経常的な一般財源が、どの程度充当されたかを示すもので、その比率が80パ―セントを超えると、警戒ラインとされております。
 当市におきましても経常収支比率は、単年度の重要な指標として、位置付け、公債費比率と併せて財政健全化に向けての、財政計画の中でも、目標設定をしているところであります。
 平成14年度の経常収支比率は、議員ご指摘のとおり、78.7パーセントで、前年度に比べ、1.5ポイント上昇し、比較的高い数値となりました。この要因は、算定する上で、分母となる歳入におきましては、長引く景気低迷により、法人市民税が大幅な減収となったことに加え、預金利子の減収に伴う利子割交付金や、個人消費の伸び悩み等による地方消費税交付金等の大幅な減収が挙げられます。
 一方、分子となります歳出におきましては、扶助費や公債費といった、義務的経費の増加や、広域行政組合負担金を含めた、補助費の増加が要因となっております。このような状況の下で、結果として1.5ポイントの上昇となりましたが、全国的に財政構造が依然として硬直化傾向にある中で、本市を取り巻く環境などを考慮いたしますと、財政の健全ラインを維持できたことは、総じて、健全財政の取り組みが進められたものと、思料するところでございます。
 次に、二点目の、経常収支比率を下げるための方策についてでございますが、この、比較的、客観的な財政指標に対しまして、当市におきましては、毎年、将来にわたり数値目標を設定した計画を作成し、財政運営を図っております。歳出におきましては、行政改革の推進などによる、人件費の縮減や、プライマリーバランスを考慮した、起債計画に基づく借り入れをすることで、公債費の抑制に努めているところでありますが、特に、地方自治体の基本的な考え方でございます、最少の経費で最大の効果を上げるという財政の効率的運用を、予算編成や執行時の全庁的な基本方針に掲げ、経常経費の縮減に努めて参りたいと考えております。
 一方、歳入におきましては、今日の経済情勢等から、市税や地方交付税等の、経常一般財源の急激な伸びは、期待できない状況でありますが、徴収システムの充実等により、今後とも、市税収入の確保に努めるとともに、適切な受益者負担に基づく、使用料・手数料及び、負担金などの収入確保を検討して参りたいと考えております。
 また、国における構造改革がすすめられている中で、国や県に対し、地方財政対策の充実の強化を働きかけ、補助金などのできる限りの確保に努力して参りたいと考えております。


そして、私の2回目の質問へ
 それでは再質問いたします。答弁を確認いたしますと、評価については「昨年度に対し、確かに1.5ポイント上昇している。歳入・歳出における要因分析もしている。また、全国的な硬直化傾向の中で健全ラインを維持できた。」ということだったかと理解しました。私が悲観的な見方をしていることに対し、当局は楽観的ともいえますが、ほぼ判断は一致していると考えます。大きな一つ目については、これで終わります。
 ただ、答弁の中で、「単年度の重要な指標」との言葉が出てまいりました。経常収支比率は、確かに単年度ごとに出てくる指標ですが、一旦上がってしまった経常収支比率を下げるには多大な年数を要します。それ故、私は経常収支比率に着眼しているのです。
 次に大きな2つめです。私は数年来、分母である経常一般財源を上昇させるような施策を講じるよう提言してきました。それについては、過去の答弁で一応のものを頂いているので、今回は終わりとします。経常充当一般財源(歳出)に絞って質問いたします。
 答弁の中で、「行政改革」や「プライマリーバランス」などの言葉が出てまいりました。それを、実施しているツールとして行政改革大綱も策定中です。起債計画も将来的な予想を作っていると聞いております。また、行政評価や事業別予算、先の質問にもあった財務諸表など...
 確かに、様々なツールを使って健全財政運営を目指していることは評価できますが、これらのツールが単発で何の関連もなく出てきているように感じてしかたがないのです。もう少し、それぞれをリンクさせる手段を講じるべきではないかと思う次第です。
 ここで、質問ですが、現在の行政評価や事業別予算などの財政分析のツールをどのように評価し、将来的にどのようにリンクさせ、何のアウトプットを出そうとしているのかご答弁をお願いいたします。

御殿場市二回目答弁(杉田企画部長)
 現在の行政評価や事業別予算などの財政分析のツールをどのように評価し、将来的にどのようにリンクさせ、何のアウトプットを出そうとしているのか。についてでございますが、当市の事業別予算につきましては、平成10年度予算から、新しい財務会計システムを構築する際に、従来の節別での予算管理から、事業を中心とした考え方であります事業別予算へと変換いたしまし
た。
 これは、予算編成から執行、決算に至るまでを、事業別に管理することで、「どんな目的の仕事に」、「どれだけのお金をかけて」、「どのように実施したか」など、その費用と効果を事業ごとに管理し、議会や市民にたいしても、市の施策をより分かりやすく説明していくために取り入れたものでございます。また、地方自治体を取り巻く財政環境を見ますと、地方分権の時代といわれる中で、国の三位一体の構造改革がすすめられ、自らの責任の下で、限られた資源を最大限有効に活用しながら、財政運営を行なっていくことが求められております。こうした中で、政策や事業の効果を常に点検し、見直しや改善を図っていくことがますます重要であり、そのためにも合理的かつ的確に政策、事業などを評価し、その結果を適切にその後の施策に反映させていく必要性を認識しているところであります。
 行政評価の進行状況につきましては、現在、事業評価の段階でありますが、平成14年度から取り組みを行ないまして、本年度は152事業の評価を行なったところでございますが、評価結果につきましては、年明けには公表できる状況となっておりまして、今後、予定している政策評価と合わせて、行政評価システムの確立を図って参りたいと考えております。これらの評価結果が、3か年実施計画の事業などの進行管理を含めまして、例えば、予算編成方針として示している、事業のスクラップアンド・ビルドなど、政策の意思決定におきましても、有効なツールとして活用できるシステムを目指しております。また、職員が市民の視点で、自ら事業の評価を実施しながら、市民に開かれた分かりやすい行財政運営によって、より質の高い行政サービスを展開していけるよう、取り組んで参りたいと考えております。


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