04年選挙日記(04/04/08)

■立候補決定
 私は、矢崎グループの組織内議員です。立候補を決定するときは労働組合の定期大会で立候補するかどうかの採択がされます。03年9月、定期大会にて、2期目の立候補が採択されました。このときから、2期目の選挙の活動のスタートが切られました。

立候補決議の採択後に挨拶する私


■ポスター、リーフレット
 立候補が決まったら、次にすることはポスターとリーフレットの作成です。
 リーフレットとは、A5版くらいの大きさで、そこに写真や政策を掲載するものです。A5版とスペースが限られているため、政策は重点政策だけを掲載し、詳細な政策は別の冊子にまとめました。
 ポスターは、ご存じのように公営掲示板に貼るものです。今回は3種類のものを作ることにしました。その内1種類は衆議院議員の細野豪志さんと同じポーズのものを作りたいと思い、彼のポスターを写真屋にもって行き、「これと同じポーズで撮りたいのですが...」と申し出たところ「元が違うから、同じものができるとは限りませんよ」と言われてしまいました。

リーフレット 細野さんのポスター


■強い味方
 11月位になると徐々にスタッフも集まってきました。その中でも強烈なインパクトのある2名を紹介します。女性秘書のKさん(写真左)とTさん(写真右)です。事実上、選挙事務所を仕切っていた影の事務局長です。

秘書1号 秘書2号


■挨拶まわり
 選挙期間前は、関係者に挨拶回りを行います。個人の自宅であったり、企業であったり。私は、選挙活動の中でこの挨拶回りが一番好きです。選挙活動の中で好き嫌いをしてはいけませんが、挨拶回りは人との接点の集合体です。人と接することにより、その方が考えていること(特に市政や行政に対する思い)が聞くことができるからです。それは、政策立案の重要な要素になることは言うまでもありません。
 ただ、今回はどこへ行っても「大橋さんは大丈夫でしょう」と言われることが多く、一体その方が自分を支持しているのかどうなのか分からない状態が続きました。

■決起大会
 自分の知らないところで、決起大会の場所が決まっておりました。なんと、御殿場市民会館の大ホールです。前回は、会社の体育館で行い、500名ほど集まったのでしょうか。でも、市民会館の大ホールというと1000人近い人を集めなければなりません。本当にそんなに沢山の人が集まってくれるのだろうかと大変な不安でしたが、スタッフの方々が丹念に一人一人に声をかけていただいて、一階席がほぼ満席になる状態でした。下の写真は決起大会の様子です。

決意表明の様子 ガンバロー三唱

 満席になったからには、気合いを入れて臨まなければなりません。演出や構成などは全てスタッフに一任し、私は決意表明を成功させるだけに集中しました。以下が決意表明の全文です。

今日、1月16日、いったい何人の方が集まっていただけるかと、大変不安でした。こうして会場を見渡すと、あふれんばかりの方々に集まっていただいております。お忙しい中、そして、寒い中、本当にありがとうございます。
 それでは、決意表明をさせていただきます。4年前、一期目の挑戦では、皆様からの多大なご支援を頂き当選することが出来ました。あのときの感動は今でも忘れることが出来ません。本当にありがとうございました。改めて御礼申し上げます。
 そのとき、喜びに沸く開票会場の中で、一人の男が私に言った言葉を、今でもよく覚えております。「大橋さん、追われる立場になりましたね。今夜はゆっくり休んで下さい。しかし、休めるのは今夜だけです。明日からが戦いです。多くの人と接し、政策を練り上げ、独走態勢を作って下さい。」その男の名前は、渡辺周。今でも政治家として師と仰ぎ、そして尊敬し、自分が判断に迷ったときは、「こんな時は周さんだったらどうするのだろうか」と考えながら、政治活動を続けてまいりました。
 それから、議員活動に入ると、本当に毎日が戦いでした。500ページにも及ぶ分厚い予算書。その項目一つ一つを検証、そして市民の皆さんの意見を聞き政策として具現化する。そして、その政策を議会でアピールする。真剣にそして発想の転換をもって政策を作り、更に議会の場で情熱的にアピールしてまいりました。さらに、「現状に満足してはいけない。まだまだ、やることはあるはずだ」と自分に言い聞かせ、新たな政策追求を行って参りました。
 それでは、二期目の挑戦に当たり政策について述べさせていただきます。夢と希望のもてる御殿場を考え、『未来を見つめ、今に挑戦』する。そして、生活者の視点に立ち、街づくり・環境・福祉、これら行政全般を政策課題として努力、実現を目指す。簡単に言えば、道路の側溝蓋(いわゆるドブ板)から御殿場市全体の財政政策まで、行政課題を取捨選択せずに幅広い政策テーマを課題とすることを目標といたします。また、政治活動においてのキーワード。これを「共存」に設定します。これは、偏った考え方をせず、客観的な観点で事態や物事を把握し、公正な執行を行なうということ。一期目と同様に踏襲して活動して行きたいと思います。
 さらに、地方分権について述べさせていただきます。今、地方分権の時代と言われておりますが、はたしてそうでしょうか?私は、そうは思っておりません。例えば、御殿場市の個人市民税の税率、地方税法では、御殿場市独自で決定できることになっております。しかし、標準税率以下にすると、起債が出来なくなり、事実上、税率を下げることが出来ないと言うのが現状です。自分の町の税率を自分の町で決められない。つまり、自主課税権さえ存在しないというのが実状です。しかしながら、間違いなく、近い将来、本来の地方分権の時代がやってきます。自分の町で必要な事業を抽出して、企画して、そしてそれらの必要な予算に応じて税率を決定する。というような本当の意味での地方分権の時代がやってくることを確信しております。そのときに、必要とされるのが地方議員としての高い水準です。行政知識・視察能力・議会表現力。これらを私自身、今以上にもっともっと高いレベルにもっていかなければなりません。さらに、人間としても政治家としても成長しなければならないと覚悟しております。
 最後になりますが、この四年間を省みますと、全ての定例議会において一般質問、市政便りも年4回発行、そして100カ所以上の方々の元に自分で配達。また、市民から陳情があれば、市政に関係ある無いに関わらず全てに即座に対応といったように、高い評価を受けることは出来ないかもしれませんが、決して批判だけは絶対にされないような議員活動をしてきた自信があります。今度の選挙に備え、芽はまだ出ておりませんが十分な種をまき十分な水を与えたつもりです。しかし、政治家の活動が、選挙において正しく判断されるかというと、悲しいかな、そうではありません。そういった事例を沢山見てきました。良い評価は、廻りの雑音にかき消されてしまます。逆に悪い評価はコンピュータウイルスのように驚くほど速い速度で増幅され人から人へと伝わって行きます。
 2月1日、投票日を迎えます。その間、厳しい選挙戦が行われますが、私は、本日ご来場いただいた方々を信じて、皆様のことを信じて、そして皆さんのご支援を得て、さわやかに力強く選挙戦を戦い抜くことを宣言し、決意表明といたします。
 ありがとうございました。

■出陣式
 出陣式です。いよいよ、戦いの時がやってきました。残すところ一週間。後は全力を尽くすだけ。より多くの有権者と出会い、政策をアピールすることに尽きます。この間、寒い中、選挙カーに乗っていただいた方々、仕事の合間を縫って事務所に通い詰めていただいた方々など、あらゆる形で多くの人に協力していただきました。選挙とは一人で戦えるものではないということを身を以て実感いたしました。政治家一人を誕生させるには、多くの方々の後押しなしにはできません。
 この日も、そういった思いを込めて次に様な決意表明を致しました。

今日、1月25日、御殿場市議会議員選挙の告示日を迎えることができました。私が、ここで、この様に立っていられることも、また、この様にご挨拶できるのも、本日、お集まりの皆様の、ご支援があり、ご指導があり、叱咤激励があったからであり、まず冒頭に心より御礼を申し上げます。本当にありがとうございます。
 この4年間を省みますと、感動で忘れることの出来ない2000年の2月6日、初当選をする事が出来ました。しかし、議員活動にはいると自分が打破しなければならない大きく頑丈な壁があることに気がつきました。行政専門用語、議会慣例、既得権益への依存など、それらは私の前に立ちはだかるとてつもない巨塔の様に思えました。この巨塔を乗り越えなければ、打ち破らなければぼくの未来はないと思い、数々の挑戦が始まりました。打破できやこと、できなかったこと、両方ありますが、この4年間は私の政治家としてのプロローグ(序章)だったように思います。しかし、少なからずとも4年前と比較し政治家として成長した自分が今ここに立っております。
 次に2期目の挑戦に当たり、政策について述べさせていただきます。今回、自分のマニフェストを政策目標として作成しました。自分がやりたいこと、御殿場市民のためにしなければならないこと、それらを照合させ、熟慮し、作成して配布しました。初めての試みです。この場で全部を披露したいのですが、時間の関係上、この場では多くを申し上げません。外郭の部分だけお話しします。世の中は高度成長社会から成熟社会へ、また、経済産業の状態はグローバル化の方向に向かっているなど、世の中の動向はめまぐるしく変わろうとしております。しかし、世の中の環境が、どう変わろうとも住民には「夢と希望を持ってほしい」と思っております。その為には、常に、「未来のあるべき姿」を見つめていなければなりません。これからの4年間、夢と希望があふれる御殿場を考え未来に向かって今に挑戦して行きたいと思います。
 今回の選挙は33名の方が立候補するといわれており、定数を7名オーバーしております。御殿場市議選至上、最大の乱立選挙と呼ばれております。4年前は、1名のオーバーで少数激戦といわれました。今、私自身が感じるのは前回とは空気が違います。前回は穏やかな、なまぬるい中での選挙戦でした。しかし、今回は、張りつめた、そして凍りついたような空気を感じます。その中に身を置いていると凍りついて身動きがとれなくなるような予感さえします。その予感は事実、切り崩しなどといわれる他陣営からの様々な戦略で形になって現れてきております。しかし、私はここで負けるわけには行きません。
 私の好きな言葉の一つに「和を以て、技を制す」と言う言葉があります。これは、サッカーの伝統校である市立船橋高校が教訓として使っているもので、相手がどんなに技を持った強いチームであろうと、自分のチームの和があれば、相手を征することが出来る、勝つことが出来るという意味です。今回、立候補された方々は、みんな素晴らしい政策をもった素晴らしい方々ばかりです。強い相手ばかりです。しかし、本日集まっていただいた皆さんが一つのチームを組み、そこで力を結集し、そこからチームの和が生じれば、必ず勝つことが出来ると確信をしております。
 最後に一言だけ言わせて下さい。私たちは負けません。必ず勝ちます。今日集まっていただいた皆様の思いを、私自身が受け止めて、そして皆様の思いを勇気と誇りに変え、この一週間、さわやかに力強く選挙戦を戦って行くことを宣言します。
 本日は本当にありがとうございました。

決意表明する私 スタッフの方々 多くの人に集まっていただきました

中央は細野豪志さんです 最終日、選挙カーに乗る前


■勇気
 選挙戦中盤頃より、廻りの雰囲気が大きく変わっていることに気がつきました。今までは「大橋さんは、大丈夫」といわれることが多かったのですが、この頃から「頑張って下さい」と言われることが多くなりました。何気ない「頑張って下さい」の言葉ですが、候補者にとっては一番の勇気になります。この言葉で選挙戦を乗り切ることができました。

■開票
 この日は、じたばたしても始まりません。と言うよりも、じたばたすること自体できません。自分にできることは投票所に行って自分の名前を書くことだけです。そして、あっという間に夜になり、開票が始まりました。
22:30−200票
23:00−500票
23:30−1,100票(この時点で当確を確信しました)
24:00−2,600票
最終−2,622票

渡辺周さん 細野豪志さん くす玉割


  結果は、第1位で当選することができました。しかも、4年前より4票上積みすることができました。しかし、4年前は定数を1名オーバーする中での選挙で、今回は33名で定数を7名オーバーする中での大激戦の選挙でした。その中で上積みできたことは、3000票にも4000票にも相当すると思います。これも、全て皆様の後押しとご支援のおかげであり、深く感謝いたします。(簡単に感謝と書いておりますが、この嬉しい気持ちを表す適当な言葉が見あたりません)
 今度は、私が皆さんにお返しをする番です。お返しとは、皆様の要望にお応えしたり、議員として高く評価されたりだとか、あらゆる形で実行したいと思います。最後になりますが、これからもよろしくお願いいたします。
最終結果は次の通りです。

順 位 氏名(敬称略) 得 票 順 位 氏名(敬称略) 得 票 順 位 氏名(敬称略) 得 票
1 大橋 由来夫 2622 12 滝口 達也 1575 23 沓間 貞幸 977
2 鈴木 文一 2090 13 西田 英男 1534 24 佐々木 大助 887
3 稲葉 元也 1991 14 滝口 俊春 1512 25 厚見 道代 882
4 石田 英司 1880 15 長谷川 登 1509 26 野木 慶文 858
5 望月 八十児 1842 16 横山 竹利 1433
6 勝亦 功 1830 17 黒澤 佳寿子 1432
7 勝又 嶋夫 1788 18 井上 高臣 1378
8 榑林 静夫 1743 19 勝又 幸雄 1365
9 菱川 順子 1706 20 鎌野 政之 1336
10 田代 幸雄 1688 21 高木 理文 1051
11 勝間田 通夫 1640 22 小宮山 武久 1037

最後にスタッフで記念撮影

長い選挙戦で、皆さん壊れかけております。


議会日記戻る

ホーム