04年12月一般質問ライブ(04/12/27)

 12/15に一般質問を行いました。今年の三月議会が終ったとき、今まで主要テーマとしてきた「地方財政」を少し離れて、違うテーマに取り組んでみようと決心しました。今回は上水道事業です。経営状況と今後の基本計画について質問を行いました。想像していた以上に経営状況は良好で期間限定で実施している5%割引も当面実施続けるとの考えも示されました。

御殿場市における上水道等事業について
質問

@本市の水道は昭和30年に創設され、第1期拡張事業から現在の第7期に至るまでの事業計画を実施している。7期は、平成16年度に終結するが、その後は水道事業基本計画に準じて事業を実施するという理解で良いか?また、当計画は15年と長い期間であるが環境の変化に対応できるのか?
A家事用料金(990円)や供給単価率(利益率に当たる指標、当市では125%)などの数字に関して、全国平均や類似事業体との比較及び当局の所見は?
B基本計画によると今後は企業債を起こさない(借金をしない)計画であるがその考え方はどの様なプロセスから出てきたのか?また、15年間で24億円の利益剰余金を積み立てる計画であるが無理はないか?
C総じて良好な経営状態と判断できるが、平成15年より3年間の期限付きで実施している5%割引は継続実施するのか?

答弁

@給水人口は多少増加するが、節水意識の高揚などで水需要の増加は少ないと判断し、水道事業基本計画に準じて事業を実施する。また、社会情勢の変化などに対応するため5年ごとに見直しを行う予定である。
A全国平均は1,519円、同規模事業者が1,301円であり、当市はそれを下回る。供給単価率は事業報酬も含んだ総括原価主義に基づいた数字である。
Bこれからは拡張事業より維持管理の事業に変貌することや将来の投資を見込んで企業債を起こさないこととした。利益剰余金残高は数的根拠に基づいたもので、実現できると確信している。
C上水道事業は、効率的な経営に努めたことによって、良好な財政状態となった。利益剰余金は増加し、企業債は減っているため、実質的な残高は高まっている。依然として低迷する地域経済など諸問題を思慮すると、現在期限付きで実施している5%の割引料金は、経営状況の推移を見ながら当分の間延長したい。



まずは、私の一回目の質問から

 一般質問をさせていただきます。質問の主題は「御殿場市における上水道等事業について」です。
 質問の背景を申し上げます。先日NHKのニュースの中で「地下水ビジネス」についての特集を放送しておりました。内容は、民間の事業者が自ら井戸を掘り水道事業を起こし、デパートや病院などの大口の事業者と契約を結び成果を上げているというものでした。この民間水道事業者は、公営水道よりも20%程度安い価格で水を提供し受益者共にメリットを与えていると。慌てたのは地方自治体で大口事業者から契約を解除されることにより、今までのシェアの数パーセントを失い、水道料金の値上げをせざる得なくなったという内容でした。こうした事例から考察するに、これからは地方自治体における水道事業は、もはや独占企業という概念を捨て、強力な競争力を構築して行かなければならないと考えられます。そういった背景の中で、今回の質問をしております。質問は大きく4項目に分かれます。
 また、質問のタイトルは上水道等となっておりますが、今回の質問においては簡易水道や工業用水道、小規模な組合水道は質問の対象から省きますので宜しくお願いいたします。答弁の中で、必要と思われる場合はそれらを入れても構いません。
 まず、第一の質問です。本市の水道は昭和30年に創設されたと聴いております。そして昭和41年の第1期拡張事業から現在の第7期拡張事業に至るまでの事業計画を実施しております。そして、この7期は、平成16年度に終結を迎えます。通常でしたら、第8期の拡張計画が示されてしかるべきですが現在までの所それが示されておりません。私が想像するに、今後は平成14年から実施されている水道事業基本計画に準じて事業を実施することになると思いますが、その理解で良いかどうか質問します。1−1)の質問です。また、従来の拡張計画は、期間が長くても9年間で短いものは2年間でした。今回、基本計画が平成14年から28年までの15年間になっており、従来と比較すると大変長い期間です。どういう背景で15年間にしたのでしょうか?15年間の中で環境の変化に対応できますでしょうか?1−2)の質問です。
 次に大きな2項目目に移ります。現状の施設の状況についてです。質問については経営分析比率の主要指標について質問します。答弁については、県下の平均や類似事業体と比較してお願いします。
@水道普及率の94.3%はどうでしょうか?
A施設利用率、これは1日平均配水量を1日配水能力で割ったものですが、66.5%という数字はどの様に評価できますか?経済性は有効と判断できますか?
B最大稼働率、これは1日最大配水量を1日配水能力で割ったものですが82.1%という数字はどの様に評価できますか?能力過剰になっておりませんか?
C負荷率、これは1日平均配水量を1日最大配水量で割ったものですが81.0%という数字はどの様に評価できますか?年間を通して施設は有効に使用されているといえますか?
D配水管使用効率、年間総配水量を導送配水管延長で割ったのもですが27.8%いう数字はどの様に評価できますか?配水管は効率的に敷設されておりますか?
@〜Dまでが2−1)の質問です。
 さらに、今質問しました指標において、県下の平均や類似事業体と比較し劣っているもの・優れているものがあるとするならば、上水道を構成している取水施設、送水施設、管路施設、機電設備、付帯設備等に要因はあるのでしょうか?それとも、御殿場の地形や気候などに起因しているのでしょうか?それとも、それ以外の何らかの要因があるのでしょうか?2−2)の質問です。
 次に大きな3項目目に移ります。経営状況についてです。
まずは、水道料金について4項目ほど質問いたします。
 家事用料金が割引分を含まない場合990円と聴いております。家事用料金とは1ヶ月10mを使用した場合ですが、この料金が県下平均や類似事業体と比較してどうなのかご答弁をお願いいたします。申し添えておきますが、この件に関しては過去の質問などにおいて、答弁をいただいているわけですが、今回質問するにあたり、確認の意味も含めてあえて質問いたします。
 次の質問に移ります。本市の15年度決算におきまして、今から申し上げる数式が成立しております。供給単価(129.6円)−給水原価(103.6円)=販売収益(26.0円)。まず、給水原価とは1mあたりの費用でこれは成り行きとして決まってきます。企業として設定に苦慮するのが供給単価です。供給単価の元である給水収益、しいては水道料金はどの様なプロセスで設定されるのでしょうか?また、供給単価率という指標があります。これは、供給単価を給水原価で割ったものです。簡単にいえば利益率みたいなものですが、御殿場市ではこれが125.1%となっております。これらの数字に関して県下平均や類似事業体と比較してどうなのか?そして当局の所見もお願いいたします。
 次に人件費についてです。私の方から指標は指定しませんが人件費についての所見はどうでしょうか?また、職員は市職員と企業職員で構成されていると思いますが、退職金積み立てや共済(医療保険、年金保険)の事業者負担分はどの様に区分されているのか?特に退職金については、市職員の部分も企業会計から負担するといった答弁が過去の議会でありましたが確実に実行されておりますか?
 次に財務状況についてです。これは簡単に質問いたします。自己資本構成比率の81.9%及び流動費比率の2350%は県下平均や類似事業体と比較してどうか?
次は大きな4項目目、水道事業基本計画について質問いたします。質問の前に申し上げておきますが、私はこの基本計画を評価しております。その理由の一つとして、資料として大変分かりやすい構成や表現方法であること。現状の課題から今後の計画が数的根拠を持って示されております。二つの理由として、その内容です。過去の議会答弁で企業債への依存からの脱却が必要というふうに聴いたことがありましたが、この計画がそれを遵守していること。そういった理由から評価をしております。
 それでは、具体的な質問になりますが、この計画の大きな特徴は先に述べた企業債からの脱却があると思います。つまり平成12年から28年までいっさい借金ははしないと。こうした大局的な計画策定はどういった考え方やプロセスから出てきたものなのか質問いたします。4−1)の質問です。
 次に、事業内容について質問します。基本計画は、短期計画と中長期計画の二部構成になっており、15年間で総額約100億円の事業計画がされております。事業計画には3つの水源の開発と6つの配水池の増新設などがありますが、これらの事業を抽出した考え方やプロセスはどういったものでしょうか?4−2)の質問です。
 次は財政に関する質問です。基本計画において、企業債を起こさない中、その財源は損益勘定留保資金や建設改良積立金などから財源を抽出する計画を立てております。簡単に質問すると計画に無理はないでしょうか?計画が頓挫した場合や不測の事態が生じた場合どの様に対応するのでしょうか?また、そうした中で、平成28年度末には24億円の利益剰余金積立額を残す計画をしております。これは、平成13年末の残高と比較すると10億円程度増えることになります。この数字は、成り行きの数字ですか?目標値ですか?気合いの数字ですか?4−3)の質問です。
 以上質問と致します。



御殿場市一回目答弁(水谷建設水道部長)
 それでは、御殿場市における上水道等事業について、お答えを致します。
 始めに、1項目めの1の、第8期拡張事業計画と水道事業基本計画に関してであります。第7期拡張事業計画では、21世紀に向かっての人口増加や水需要の増大を予測し、これまで水量的、施設的にゆとりのある安定した水道施設の整備拡充を図ってまいりました。しかしながら、今後、給水人口は多少増加するものの、節水意識の高揚などによって水需要の増加は見込めない状況であります。従いまして、新たな拡張事業計画は策定しないこととして、水道事業基本計画に準じて事業を実施してまいります。
 次に、1項目めの2の、水道事業基本計画を15年間とした背景と、その間における環境変化の対応についてであります。まず、15年間とした背景は、平成13年の3月に策定した第3次御殿場市
総合計画に、水道に関連する施策を盛り込みましたので、この総合計画の期間に対応した行動計画を明確にする必要がありました。また、ご承知の通り、水道事業は先行投資型の事業であります。従いまして、資本投資を行う場合には、その投資効果の予測をすることとなりますので、係る期間は長くなるのが通例であります。
 さらに、水道施設につきましては、その耐用年数等によって計画的に整備、更新等を行いますが、そうした更新等を行う場合には財政基盤が安定していなければなりません。そのためには、平準化された10年,15年と言った長期的な事業計画の下においての、事業の管理が必要となります。そして、このことが過大投資の抑制や効率的な事業運営を図ることとなる訳であります。なお、平成13年度に策定した水道事業基本計画は、社会情勢の変化や需要ニーズの多様化等に対応できるように、当該期間内の、概ね5年ごとに見直しを行うこととしております。
次に、2項目めの1の、経営分析比率による類似事業体との比較について申し上げます。なお、類似事業体の比率は平成14年度であります。@の水道普及率は94.3パーセントですが、県内21市の平均で94.1パーセント、そして、県内の当市と同じ規模の事業者で91.1パーセントと中位に位置しております。Aの施設利用率66.5パーセントですが、県内21市の平均で
66.5パーセント、同じ規模の事業者では63.0パーセントと中位に位置しております。Bの最大稼働率82.1パーセントですが、県内21市の平均で79.4パーセント、同じ規模の事業者では72.6パーセントと中位に位置しております。この数値については高くなるほど効率性は上がりますが、一方において、100パーセントに近い数値になりますと新た配水池の必要性を意味することとなります。Cの負荷率81.0パーセントですが、県内21市の平均で83,7パーセント、同じ規模の事業者では、86.8パーセントと中位に位置しております。Dの配水管使用効率27.9パーセントですが、県内21市の平均で33.2パーセント、同じ規模の事業者では17.9パーセントと中位に位置しておりますが、この数値は、地形や地域特性にも影響されます。
 以上のように、負荷率を除く各数値とも同じ規模の事業者を上回っておりますので、施設の効率性は良好と判断されます。このことは平成14年度の経営診断でも示されております。
次に、2項目めの2の、各指標においての特徴と係る要因についてでありますが、@取水施設では、水源の取水量によって、水道普及率の行政区域内人口の水需要に対応出来るかどうかに影響を及ぼしA送水施設では、取水した水源の水を配水池に貯留して安定給水を図る施設で、水道普及率、水道利用率、最大稼働率、負荷率に影響し、数値が大きいほど効率的でありますが、100パーセントに近づくと施設の増設の必要性を意味することとなります。B管路施設では、水道普及率、配水管使用効率に影響を及ぼし、人家のあまりない所まで配水管を布設すれば水道普及
率は高くなりますが配水管使用効率は低下することとなります。C機電設備、D付帯設備については水道施設全般の稼動に関するものであり、率への直接的影響はほとんどありません。
次の3項目めでは、4つのご質問をいただいておりますので、その順序に従い、お答えを致します。まず、1ヶ月に10立方メートル使用した場合の家事用料金につきましては、5パーセントの割り引き前で990円となりますが、この当市の上水道料金に対して、平成16年4月1日現在の全国平均は1,519円、そして、給水人口が5万から10万人未満の全国の同規模事業者が1,301円90銭であります。従いまして、当市は、これら全国平均等より、かなり安い料金となっております。また、県内においては、平成14年度の少し古い資料となりますが、これが県下20市と旧清水市の21事業者、(以下の答弁では21市と表現させていただきます。)で、この21市の平均が908円、そして、町村を含む県平均が1,036円であります。なお、平成16年4月1日から1つの市で11.5パーセント増の料金改定を行っておりますので、現在の当市の順位は21市中、高い方から11番目の中位となります。
 次に、料金設定のプロセスと供給単価率についてであります。まず、料金の設定につきましては、経営の合理化を前提とした能率的な経営の下における適正な原価が設定の基準となりますが、そうした設定基準とともに、将来の整備資金の財源を料金に算入させることの事業報酬制の考え方、つまり、総括原価主義に基づいて計算された理論的な当年度純利益と実際の当年度純利益を比較し、そして、所要の改定率をもって市議会等に御諮りを申し上げているところで御座います。ちなみに現行料金には、この事業報酬として3パーセント算入しております。ところで、供給単価率125.1パーセントについて、これを平成14年度における他の事業者と比較いたしますと、まず、全国平均が94.6パーセント、全国の同規模事業者が95.5パーセントといずれも逆ザヤであります。県内では、21市の平均で106.1パーセント、そして、県平均で104,8パーセントとなっております。こうした供給単価率が適正か否かは、その計算式の給水原価等の内容を分析しなければ判断できません。しかしながら、当市の水道料金が全国平均や全国の同規模事業者より低い状況において、このような高い供給単価率を維持していることは、料金設定が適正で、しかも効率的な経営がなされていることを意味するものであります。
次に、人件費についてであります。まず、人件費の所見について、労働の生産性をもって述べさせていただきますと、1人当たりの労働生産性は、当市の水道が6,400万円余、そして、全国平均が5,200万円余であります。なお、県内の状況につきましては残念ながらデータが御座いません。このように労働生産性が全国平均に比べて1,200万円余と高く良好である背景には、平成10年度に34人いた職員を平成15年度までの5年間に5人減らし、29人とした人件費の抑制と他の費用の縮減によるものと思っております。ちなみに、費用縮減の対前年度推移は、平成13年度で2.0%の減、14年度で4.2%の減、そして15年度においては前年度とほぼ同率の4.3%の減であります。
次に、法定福利費、つまり、一般会計で言う共済費の事業者負担分につては、企業職員、市職員の区別なく、上水道事業会計から支出しております。また、企業職員に退職の事実が生じた場合においても上水道事業会計から支出することとしております。なお、市職員の退職金につきましては、公営企業の行政実例等によりまして、その退職金の支払いは市で行うこと
として、係る実質的な負担、この実質的な負担とは在職期間等を基準とするもので、その負担分は、上水道事業会計から退職手当負担金として、一般会計に繰り出しをしているところで御座います。
 次に、平成15年度の自己資本構成比率81.9%と、流動比率の2,350%を他の事業者と比較いたしますと、まず、自己資本構成比率の全国平均は53.3%、全国の同規模事業者で59%、そして県平均で60.2%、21市の平均で56.5%となっております。で、この自己資本構成比率は50%以上が望ましく、高いほど良いとされております。
 続いて、流動比率の全国平均は379.9%、全国の同規模事業者で537.3%、また、県平均で520.7%、21市の平均で464.3%となっております。
 なお、流動比率は200%以上が望ましいとされております。このように、当市の自己資本構成比率と流動比率は、ともに他の事業者に比べて相当高く、それも上昇傾向にあります。こうした比率の比較や年度推移は、当市の財政状態が良好かつ健全であることを示しております。
 次に、4項目めの1の、水道事業基本計画の策定の考え、プロセスについてであります。先程申し上げましたように、水道事業基本計画に先立って、第3次御殿場市総合計画を策定し、そして、この中には用水の安全かつ安定的な供給等に関する施策を掲げております。従いまして、こうした考え方に添った形で事業を進める必要がありましたし、また、ご承知のとおり、これまで
の水道事業は施設の拡張整備が中心でしたが、これが維持管理へと移り変わってきたこと、また、多様化する需要者ニーズと社会情勢の動向を視野に入れた新たな経営戦略、目標が求められておりました。
 そうした中においての基本計画は、質的サービスの向上や災害に強い水道施設整備等を推進するものとして策定いたしましたが、なお、昭和30年代、40年代に布設され、既に耐用年数を迎えている老朽管の更新事業が基本計画の最終目標年度の前後以降において膨大な額で発生してまいります。従いまして、計画期間においては、質的サービスの向上等を積極的に推進するものの、なお、これら投資の適正化と事業の効率化に努めるなど、まずは、経営基盤の強化を目指しました、よって、財政の圧迫要因となる企業債については依存しないこととしたものであります。
 次に、4項目めの2の、水源開発や配水池等の事業を抽出した考え方、プロセスについてでありますが、市の水道施設の中にはすでに耐用年数以上に稼動し、経年化によって機能低下しているもの、バックアップの機能が不足して不安定な運転を余儀なくされているものなどのほか、管理水準の向上を図るため、改良・更新を必要とするものが多くなってきました。水道施設は安全な水道水を安定して供給するため、個々の構造物、設備、装置が健全な機能を発揮するだけでなく、これらが全体としてバランスがとれたトータルシステムとして機能し、信頼性を継続的に確保していかなければなりません。そこで、水道事業基本計画を策定し、緊急性・重要性の高い事業を平成14年度から18年度の短期計画で整備し、より一層の安定給水の確保と安全な水の供給を目指し、費用対効果の大きいものから中長期計画で整備してまいります。
 次に、4項目めの3の、財政に関する質問であります。 基本計画目標年度の平成28年度までの間における施設整備等の財源として、損益勘定留保資金、つまり、現金支出の伴わない減価償却費等を充て、なお、不足分については建設改良積立金と減債積立金を取り崩すとしておりますが、こうした内部資金については資産の変動等のシュミレイションによって算出されたものであり、また、建設改良積立金等の利益剰余金についても、その源泉となる水道料金に、先程申し上げました事業報酬、つまり、資本コストとして3%算入しておりますので、大幅な水需要の減少等
が無い限り、係る再投資資金は確保されるものと確信しております。
 なお、地震災害等の不測の事態に対しては、基本計画に基づき、配水地の建て替えや管路の耐震化事業を積極的に進めているところであります。
 ところで、最終目標値の24億円の利益剰余金につきましては、目標年度の前後以降において、先程のとおり、膨大な額の老朽管更新事業が始まりますので、最低でも、この24億円を確保する必要があります。そのために、より効率的な経営に努めてまいりたいと考えております。
 最後に、ご質問の冒頭でご指摘をいただきましたように、民間企業の参入など、公的サービスの供給方法が多様化しております。こうした新たな環境の変化に対応するためには、民間的経営手法の有効な活用を図りながら、自立性の強化と経営の活性化に取り組まなければなりません。具体的にはアウトソーシング等の活用を通じた市場競争原理の徹底、経営情報の積極的な開示による企業経営の透明化、あるいは資産の有効活用を通じた収益性の向上など、その推進に努めているところであります。
 ちなみに、経営情報の公開については、去る10月の広報ごてんばをご覧になったと思いますが、この広報誌に、水道料金や財政状況等を初めて掲載いたしました。また、来年度においてはアウトソーシング等を調査、研究することとしております。 いずれに致しましても、水道事業を取り巻く環境は、ますます厳しさを増してまいりますので、財政基盤の強化には、今後とも格段のご理解、ご協力をお願い申し上げ、答弁とさせていただきます。


そして、私の二回目の質問
 再質問させていただきます。質問の前に、私の総括的な所見を述べさせていただきますと、一般会計が総計予算の単年度主義とするならば、水道事業のような公営企業会計は先行投資型の複数年主義ということがいえるかと思います。そうした条件の下で想像していた以上に運営状況は良好であることがいえるかと思います。
 ただ、答弁の中に出てきた御殿場市以外の自治体に見られる「逆ざや」などの興味深い言葉・数字も出てきましたので、大局的な観点から再質問を致します。
 それでは、答弁を確認させていただきながら、所見も交えて述べさせていただきます。尚、質問につきましては、何項目か最後に一括して行います。
 大きな一項目目の水道事業基本計画についてですが、給水人口が微増の傾向であることや節水意識の高揚などで需要増加は少ないという予想の元、基本計画に準じるということでした。これについては了と致します。
 大きな二項目目の現状の施設についてです。普及率と配水管使用効率は、相反するもので離れた一軒家などに送水すると普及率は高くなるが逆に配水管使用効率は低くなる。当市は普及率の高さを考えると使用効率は妥当ではないかと理解しました。また、施設利用率、最大稼働率、負荷率についてですが、これらは低すぎると非効率的であり、逆に100%に近いということは新たな施設の必要性を意味している。そういった条件の中で当市は全て、中位であり必要十分な施設といえると理解しました。現状の施設についても了とさせていただきます。
 次は大きな3項目目の経営状況です。水道料金についてのコメントは割愛いたします。供給単価率ですが、これについては公営企業としての政策要素が大きいと思われますので、少し詳しくコメント致します。御殿場市は125%であり、県下の平均と比較すると高くなっている。しかし、この数字は3%の事業報酬も含んだ総括原価主義に基づいた数字であると同時に、水道料金が同規模事業者や全国平均と比較すると低くなっている。だから適正ですよ。というように理解いたしました。
 ここで、少し述べさせていただきますが、また、不勉強で申し訳ないのですが、水道事業において「逆さや」の意識が私は希薄でした。こういった自治体がどの様に会計処理をしているか、私の知り得る所ではありませんが、売れば売るほど赤字になり、仮にその補填を一般会計から繰り入れているとするならば、その自治体は大きな負荷を背負っているといわざるを得ません。逆に御殿場市がそういった負荷を持っていないことに安堵しております。
 次に人件費についてですが、当市の労働生産性は一人当たり6400万円。これは、全国平均と比較して1200万円ほど高い。この要因としては、人員配置も適正に行っているためです。また、退職金積み立てや共済費の事業者負担分も水道会計から出しており、いわゆる裏負担もしておりませんと、理解しました。
 自己資本構成比率、流動費比率については時間の関係で割愛いたします。
 大きな4項目目は総括してコメントいたします。水を市民に安定して供給するため水道施設はトータルシステムとして安定して機能し、高い信頼性を確保してゆかなければならない。そうした中で、水道事業は拡張整備から維持管理へと移り変わってきている。更には、基本計画の終盤の28年度頃には、老朽管の大規模な更新が必要になってくる。そうしたときのために体力を蓄えるために企業債からの脱却政策を打ち出した。さらには企業債を起こさないなかで、利益剰余金残高を10億円程度増やす計画は、事業報酬などの数的根拠に基づいた計画であり、確保できると確信している。ということでした。以上が、答弁の確認ですが総括して、評価できうるものと考えております。
 ここから質問になりますが、今後の水道行政の方向性を質するもので3点させていただきます。
 一つ目として、先に申した逆ざやについて、全国平均が100を切っていることに関し、少なからずとも驚きを覚えております。しかしながら、当市は水道事業を一つの独立した企業体と考え、健全運営に努めております。今後も一般財源などからの繰り入れをしないで、供給単価率を現在の水準において行くなどして、独立運営の理念を維持してゆきますか?
 二つ目として、答弁の最後に水道事業を取り巻く環境はますます厳しくなる旨の答弁がありました。質問の冒頭に述べました地下水ビジネスなども出現してきております。そういった環境や新規事業者に打ち勝つために、経営効率化の方策としてどの様な姿勢で臨みますか?
 三つ目です。現在実施している水道料金の割引は、当市議会の会派「日本共産党」さんや「公明党」さんの一般質問などにより実施されていると認識しているところであります。確か質問があった当時は利益剰余金残高が16億円程度だったと記憶しております。そして現在、この残高は20億円を超えております。さらに当時とは違い、企業債残高が確実に少なくなっている中での20億円ですから、実質の残高は更に高くなっていると想像できます。平成15年度から3年の期限付きで実施している水道料金の割引は来年4月で2年を経過します。丸3年経過後の平成18年度以降の割引について、展望・考え方についてご答弁をお願いいたします。できうることならば、3つ目の質問は水道管理者である市長にお願いしたいと思います。以上、質問と致します。


御殿場市二回目答弁(水谷建設水道部長)
 それでは、再質問の1点目と2点目について、これを一括してお答え申し上げます。 水道事業につきましては、第1回目のご質問の冒頭に御座いましたように、競争原理が働かない地域独占企業であります。
 従いまして、効率化への誘因が働きにくくなっておりますが、しかし、第1回目の答弁で、概ね、ご理解いただきました通り、給水サービスの向上等を図る一方において、建設投資の適正化や維持管理コストの抑制など、自立的な経営に向け、その財政基盤の強化に努めてまいりましたし、また、今後におきましても、こうした考え方のもとで、さらなる企業努力をしてまいりたいと考えております。

御殿場市二回目答弁(長田開蔵市長)
 上水道事業につきましては、部長の答弁のとおり、経費の抑制など、効率的な経営に努めたことによって、良好な財政状態となりました。しかも、議員のご質問にもありましたように、利益剰余金は増加し、企業債は減っておりますので、実質的なプラス残高は高まっております。さらに、水道事業基本計画の目標年度においては、これが、二重の相乗効果となって、財政基盤の安定性は、より強固なものとなります。
 従いまして、依然として低迷する地域経済や世代間の負担など、諸問題を思慮いたしますと、現在、期限付きで実施しております、5パーセントの割引料金については、経営状況の推移を見ながら、当分の間延長してまいりたいと考えております。





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