06年03月一般質問ライブ(06/03/27)

 3/10に一般質問を行いました。この一年間、副議長という役職だったため一般質問を控えていたため、約1年ぶりになります。今まで主要テーマとしていた地方財政から少し離れて、今回は御殿場市の生活排水処理政策について、多角的な観点から質問いたしました。当市においては、公共下水道、農業集落排水、コミュニティープラント、合併浄化槽などの生活排水手段を活用しておりますが、まだまだ開発途上です。今後の整備計画を中心に質問を行いました。

御殿場市における生活排水処理政策について
質問 当市の生活排水処理政策について公共下水道、農業集落排水、コミュニティープラント、合併浄化槽を対象に質問する。
@平成5年に「下水道整備構想エリアマップ」、平成14年に「生活排水長期処理計画」を策定しているが、これはどういうものなのか?
A使用料は、下水・農集排は約105円/m、富士見原コミュプラは定額で5,040円/月、浄化槽は6,700円/月程度と聞く。この格差について当局はどう考えるか?
B一般会計からの繰り入れは下水8億円、農集排2,400万円、コミュプラ260万円である。これらの数値を一世帯あたりに換算すると下水が約10万円、農集排が約7万円、コミュプラが約6,500円という数値だが、この格差について当局はどう考えるか?
C上水道と下水道の組織を同一にして、上水道の利益剰余金を公共下水道に充てることはできないか?
答弁

@平成5年度には、市全体を網羅した「下水道整備構想エリアマップ」を策定した。その後、県より事業の効率化などを目的とした「静岡県生活排水処理長期計画」策定の手順が示され、平成14年に「御殿場市生活排水処理長期計画」を策定した。現在普及率は約37%であり、計画に沿った推移をしている。
A下水と農集排は、基本料プラス従量制、富士見原コミプラは定額制である。基本的には、その施設を100%が使用した場合の維持管理費用を負担するという観点からの料金設定である。
B下水道が多額だが、起債の償還金や管理費及び建設事業費の不足分を補うものであり、これの使用者への転嫁は大変厳しい。農集排は、近い将来、使用料で維持管理費を生み出せる。
C組織の統合は可能であるので、今後の課題とする。しかし、会計相互間の支援は、仮に剰余金が発生しても独立採算制が求められている企業会計においては困難である。



まずは、私の一回目の質問から

 一般質問をさせていただきます。質問の主題は「御殿場市における生活排水処理政策について」です。
 質問の背景を申し上げます。排水の水のもとは水道の水であり、そのもとは井戸からくみ上げた地下水であり、地下水の元は雨や川の水であり、水道システムは言うなれば究極の循環型社会が形成されております。それ故、私たち住民は使った水はきれいにして返すという命題を背負っており、それを受け地方公共団体はそうする為の社会資本の整備をしなければなりません。そういった考え方のなかで当市の生活排水処理政策を多角的な観点から評価をしたいということが質問の背景です。尚、質問の対象となるのが公共下水道、農業集落排水、コミュニティープラント、合併浄化槽と致します。
 それでは、本題に入ります。まずは大きな一項目目、整備計画についてです。歴史を遡ってみます。平成5年に「下水道整備構想エリアマップ」更に、平成14年に「生活排水長期処理計画」を策定していると聞いているところです。
 それらについて議会への報告状況はというと、下水道については毎年、下水の遍歴や現況について良くまとまっている公共下水道の概要という冊子を出していただいております。また、話が横にそれますが上水道事業ですと何年か前に「水道事業基本計画」というものが発行され遍歴・現況・整備計画・財政などよくまとまった資料があります。しかしながら、生活排水全般についての構想や現況を議会で説明を受けたかというと、振り返っても、私の記憶にはありません。いったいそれがどの様になっているか、確認する意味で質問いたします。平成5年の「構想エリアマップ」、平成14年の「長期処理計画」。これらは地域別に処理手法を明示したものであると思いますが、具体的内容はいったいどの様なものでしょうか?更に、現在は何に基づいて整備を進めているのでしょうか?
 次に大きな二項目目です。ここでは使用料と受益者負担金について質問いたします。最初は使用料ですが、下水・農集排は約100円/m、富士見原コミュプラは定額で4,800円/月、浄化槽は年80,000円程度と聞いており、月に換算すると6,700円です。これらをいわゆる販売価格としますと、処理原価との関係はどうなっているのかというのが質問です。補足しますが、下水について先程の「概要書」から処理原価を拾ってくると奇妙な関係を目の当たりになます。平成16年度における原価(原価とは汚水処理費を有収水量でわったものです)が500円となっております。つまり、御殿場市は500円の商品を100円で売っているということになります。ことさら、使用料には厳格な御殿場市がこれほどまで安く市民に供給しているとは信じられず、奇妙な関係というような表現をしましたが、これらは市民のためを考えての政策的措置なのか他の意図はあるのでしょうか?それぞれの施設の原価と使用料単価の関係について当局の所見をお願いいたします。2−(1)の質問です。
 次の質問です。各施設における使用料の格差についてです。1ヶ月間で30mを排水したと考えたときに消費税込みで下水・農集排は約3,150円、コミュプラは5,040円、浄化槽は6,700円となります。この数値だけを見た場合、だいぶ格差があると考えられます。これらの使用料の格差について当局はどの様に考えるか答弁をお願いします。2−(2)の質問です。
 次は受益者負担金についてです。これらについては財産区殿の負担をいただきながら対処しているところですが、下水は380円/m2で、農集排は管路工事費の一定割合、コミュプラは無し、合併浄化槽は本体+工事費−補助金となっている。それぞれの施設における受益者負担金(工事費)の格差について、条件を同一にした中で、その結果と当局の所見を答弁願います。2−(3)の質問です。
 次は大きな3項目目の質問です。当市においては、上水道・工業用水道が企業会計になっており優良な経営状態を保っております。下水道会計も地方財政法によると公営企業となりますが、現況では特別会計となっております。その理由は何でしょうか?3−(1)の質問です。
 次は一般会計からの繰り入れについてです。他会計の話になりますが、当市は国保にしても上水会計にしても一般会計からの繰り入れについてはきちっとした政策的根拠をもって実施していると考えております。生活排水についてはどの様になっているか確認する目的で質問を致します。これらの額は18年度予算から数字をもってきますと、下水800,000千円、農集排24,000千円、コミュプラ2,600千円、浄化槽は設置するときに20万円程度の助成がある。これらの数値を平準化して検証する意味で、対象世帯数で割ってみると一世帯あたり下水が約100千円、農集排が約70千円、コミュプラが約6.5千円という数値になります。この数値を見ると不公平感を感じずにはいられないわけですが、一般会計からの繰り入れについて政策的考えと積算の根拠を答弁願います。3−(2)の質問です。
 次に市債についての質問です。残高は16年末において106億あることは承知しております。が、問題なのは、ここ数年の傾向で市債(借り入れ)が公債費(返済)の元金償還分を上回っております。18年度予算では、借り入れが約470,000千円、元金償還額が約370,000千円です。つまり今年も100,000千円の残高が増えることになります。更には、歳出のうち公債費の占める割合が50%近くになっております。この状況は何を意味しているのでしょうか?更にはどんな対策を考えているのでしょうか?
 最後に汚泥処分委託について質問します。年間15,000t程度発生して、その処分費用が37,000千円程度であります。当市では県外まで運搬し肥料化としておりますが、最近では建設用材料などにも加工できると聞いております。ここで二つ質問をします。
(1)処理費は他の公共団体と比較してどうでしょうか?
(2)処分方法は当市の循環社会形成の理念と一致していますか?
 以上、質問と致します。


御殿場市一回目答弁(杉山半十建設水道部長)
 第1点目の公共下水道を含めた市の生活排水処理長期計画の具体的内容及び現在進めている整備の根拠はとのお尋ねでありますが、本市におきましては、昭和59年度に御殿場市公共下水道基本計画を策定し、昭和62年度に御殿場処理区710ha及び富士岡処理区103haの合計813haについて公共下水道事業区域の都市計画決定をし、国県の事業認可を受け、昭和63年度から御殿場処理区の整備に入りました。
平成5年度には、市全体を網羅した御殿場市下水道整備構想エリアマップを策定し、生活排水の処理の方法として公共下水道、農業集落排水、コミュニティプラントなどの集合処理エリア及び合併浄化槽による個別処理エリアを定め、総合的に整備を進める構想を立て、この考えの下事業を進めてまいりました。
 以後、公共下水道は下水道、農業集落排水は農集排、コミュニティプラントはコミプラと大変恐縮ではありますが表現させていただきます。
その後、家屋の新築において合併浄化槽の設置義務付けなどについて建築基準法が平成12年に改正され、これを受ける形で、同年に環境省、国土交通省、農林水産省の3省連携の「統一的な経済比較のできるマニュアル作成の考え方」が示され、平成13年に、県より「静岡県生活排水処理長期計画」策定の手順が示されました。
これは、合併浄化槽、下水道、農業排の経済比較による費用対効果の見直しと、事業の効率化、コストの縮減を目的としたものであります。
本市では、先に策定した「御殿場市下水道整備構想エリアマップ」を見直し、一部修正し平成14年に「御殿場市生活排水処理長期計画」を策定したところであり、現在は、これに沿って整備を進めているところであります。
この生活排水処理長期計画は、下水道として整備を進める区域として、先に申し上げた御殿場処理区、富士岡処理区のほか、原里の一部と駒門の一部を対象とした処理区を合せた合計1.216ha、また原里の一部と玉穂の一部の特定環境保全としての下水道区域を加えた全体では約1,400haを対象としております。
 また、農集排事業として整備を進める区域として、ほぼ完了した清後・山之尻地区のほか、高根北部、時之栖、中清水、風穴、富士岡南の6処理区で約235haが対象となっております。
 コミプラ及び集合型合併浄化槽として、整備を進める区域は、富士見原ほか6箇所で、その他の区域につきましては、合併浄化槽で進めることとしております。
 事業費といたしましては、策定時の概算事業費が約759億円を見込み、事業目標として、平成22年度までに、これまで述べた施設全体での普及率を50%としております。ここで、平成16年度末までの整備状況を申し上げますと、下水道は436ha、農集排は47ha、コミプラ及び集合型合併浄化槽7箇所、合併浄化槽約1,500基が整備済みで、全体の処理人口は約31,000人となっており、普及率にしますと約37%となり、概ね計画に沿った推移をしているものと考えております。
 なお、それぞれの事業につきましては、下水道は、国土交通省が所管する下水道法に基く補助事業として、農集排事業は、農林水産省が所管する農業集落排水資源循環統合補助事業として、コミプラは厚生労働省所管の廃棄物処理施設設置整備補助事業として、合併浄化槽につきましては、環境省所管の浄化槽設置整備事業として国県の補助を受け事業を実施しております。
次に、2点目の使用料及び受益者負担金に対するお尋ねについてお答えいたします。
 初めに、原価と使用料の関係でありますが、お尋ねのとおり、市の施設では、3種類の施設で、それぞれの使用料金を設定しております。
 料金設定は、接続率100%での維持管理、運営に要する経費を試算し、1立法メートル当たりの処理単価を算出しております。
 ちなみに、下水道と農集排につきましては、基本料プラス従量制、富士見原コミプラは定額制としております。
 富士見原コミプラが他の施設と異なる方法としたのは、分譲される宅地規模がほぼ同一で、それらが住宅用地であることから、使用者間で格差が生じないようにしたことと、料金計算事務の簡素化や管理コストの軽減を図ることから定額としたもので、民間の宅地分譲におけるコミプラの料金体系も参考としたものであります。
 一方、合併浄化槽は、年に1度の清掃と3回以上の保守点検が必要となり、その費用も環境省算定では、8万円程度となっておりますが、地域差や使用状況により債がありますが、当地域では、概ね6万円から7万円程度であると思います。
 使用料の違いはありますが、基本的には、その施設を100%が使用した場合の維持管理費用を負担していただくという観点からの料金設定でありますので、使用料金における大きな相違はないものと考えております。
 次に、受益者負担金につきましては、下水道では1平方メートル当たり500円としておりますが、算出の基礎は、補助対象外の末端管渠布設費用の25%としたもので、御殿場処理区では、負担軽減策と早期接続という観点から関係財産区が支援し、このことにより実質的な受益者負担金は19%となっております。
 農集排も下水道と同様に、高根財産区の支援により、受益者負担金は、実質19%となっております。
 一方、富士見原につきましては、土地の分譲単価に反映されているものと思料いたします。
 合併浄化槽につきましては、最も平均的な6,7人槽の場合、設置費用につきましては、設置場所、メーカーなどにより各種あるようでありますが、概ねの平均で約80万円程度であります。これに対する補助金は、国、県、市の補助金を合せて21万円となり、残りは設置者負担となります。
 以上述べましたとおり、下水道、農集排、コミプラについての維持管理費用は使用料で、末端管渠整備は受益者負担金でという基本的な考えは同一であります。
 合併浄化槽につきましては、その設置経緯からいたしましても、一律に比較することは困難ではないかと考えられます。
次に、3点目の財政状況に関するお尋ねでありますが、先ず初めに、企業会計の導入はということでありますが、本市の下水道事業は、その途についたばかりでありまして、まだ資本投資をしなければならず、企業会計への移行は時期尚早であると考えております。
 ちなみに、県内では、静岡、浜松、熱海の3市が公営企業法に基いて運営され、全国でも8%しかないことからも企業会計による独立採算が困難であることをご理解いただきたいと存じます。
 次に、一般会計からの繰出しでありますが、下水道につきましては、事業展開中でありますので、他の施設と同様ではなく、起債の償還金や総務管理費及び建設事業費の不足分を補うものであり、これを受益者に転嫁することは、大変厳しいものがあります。
 その反面、公共用水域の水質改善に大きく寄与することから市費の投入は当然のここと考えております。
 農集排につきましては、平成18年度から建設事業がなくなり、近いうちに使使用料で維持管理費は生み出せるものと考えておりますが、市債の返済までは、期待できないところであります。
 また、富士見原コミプラにつきましては、入居率が高まっており、近い将来、使用料で維持管理費用を賄えるようになるものと見込んでおります。
 このような中で、市費の投入を減ずるためには、接続率を向上させることが重要であることから、未接続世帯への接続依頼を含む加入促進策の実施と事業の効率化と経費節減により、維持管理費用を抑える努力をしております。
 建設事業におきましても、工法検討などによりコスト縮減の努力をしておりこのことは継続し、更なる軽減策も模索してまいります。
 次に市債の増高、即ち、新たな借入が、市債の元利償還額を上回る状況、市債の元利償還が歳出予算の50%近くを占めていることであります。
 平成18年度におきましては、新規借入限度額4億7,200万円に対して、元利償還金は3億7,200万円で借入が上回っております。建設途上において、施設を最大限有効に活用するため、また環境浄化を推進する上からも事業の推進を図る必要があり、新規借入もやむを得ないものであると考えております。
 ちなみに、平成16年度末での借入残高は、106億7,500万円となっており、後年度負担を憂慮するわけでありますが、計画どおり事業を推進した場合、平成24年度前後に市債残高がピークになるものと考えております。
 また、歳出予算総額の半分近くを市債償還費が占めるという状況は、建設事業が一段落すると、その割合はさらに大きくなるものと考えられます。
 こういった状況は、本市のみならず、下水道事業を実施している大部分の市町村が抱える共通の課題で、起債の理念である、世代間における負担の公平を図ることからもやむを得ないものであります。
最後の4点目、汚泥処分委託ではありますが、県内の他市町村の処分方法は、埋め立て処分、焼却処分といった方法や、肥料化、セメント材料、土壌改良材、セラミックパイプなどに活用する方法をとっております。
 本市では、処分を業者委託し、業者は全量肥料化しております。
 1立法メートル当たりの処理単価につきましては、県下の平均が19,465円であり、近隣の狩野川等流域下水道が19,053円で、御殿場市の処理費は15,800円であり県内での平均を大きく下回っております。
 次に、処分の方法でありますが、本市の循環社会形成の理念との整合でありますが、浄化センターが稼動した平成6年から2か年は、埋め立て処分、平成8年から3ヵ年は、焼却処分でありましたが、平成11年からは、資源として有効利用を図るため、全量肥料化に入り、有機資源としての活用に努めております。
以上、答弁とさせていただきます。

そして、私の二回目の質問
 再質問を致します。丁寧なご答弁ありがとうございました。時間もだいぶ経過しておりますので、要点を絞って再質問になります。
 まず、整備計画についてですが、答弁を要約しますと、「市内全域において下水、農集排、コミュプラ、浄化槽に区分した整備計画を立てております。整備目標値も建てており、進捗度評価もしている。さらにはきちっと関係省庁より国庫補助金ももってきております」とのことだったかと思います。概ね評価し了とするところですが、昭和59年に基本計画を策定し、それから23年経過した現在で、まだ37%の普及率とういことで、感覚的なものではありますがまだまだ道は遠いなという印象も持ちますし、106億の起債残高と聞くと数的根拠は明確にできませんが不安を覚えることも事実です。いずれにしましても、今回は了また別の機会で質問いたします。
 使用料については少し突っ込んで再質問を致します。原価という定義にはいろいろな考えがあると思いますが、私が申し上げている原価というのは、先の質問でも申し上げた汚水処理費を有吸水量で割ったものと考えておりますが、答弁では具体的な数値が示されませんでした。質問の中にありました1m あたりの処理単価を答弁していただきたいと思います。そしてその数字に対する当局の所見をお願いしたいと思います。何らかの理由で、数値を示すことが不可能であるのならば、その理由を説明いただきたいと思います。申し添えておきますが、合併浄化槽の使用料の原価を出すことは難しいかと思いますので質問の対象から省かせていただきます。
 次はそれぞれの施設においての格差についての再質問です。それぞれの施設において30mを使用した場合について、下水、農集排は3,150円、コミュプラは5,040円であり、ここに格差があるのではないでしょうかという指摘をしたつもりです。私は、コミュプラにおいて使用者間のコスト問題や計算事務の簡素化や民間のコミュプラに準じてそうしたという当局の言い分も理解できるし納得もできますが、一般会計に使用料として繰り入れ、管理費として決済している以上、原理原則に立ち返れば処理単価に準じた数値で設定すべきと考えます。、当局の所見はどうでしょうか?
 受益者負担金については、できる限り算出条件において、公平性を保っておりますよ、ただしその全額においては土地の形態や要件によって変わってくるため市の介入する範疇ではないということだったと思います。これについては了とし質問を終わります。
 次に財政状況について再質問いたします。
 ここは二つ質問いたします。一つは各論、もう一つは大局的な質問になります。接続率の向上が財政を安定させる、これはよく分かります。処理原価を切り口に話しますが、平成6年度供用当時2,600円程度だった処理原価が、接続率が上がった平成16年度では500円になっている。これは、接続率の向上によって稼働効率が上がったことが要因であることに他なりません。ですから財政を安定させるためには接続率の向上が必須条件になっていると言っても過言ではありません。そこで質問ですが、使用料において下水道使用料は他の設備より、負担が少ないかと思います。それを、全面に出してPRに努めるという手法はどうでしょうか。
 次は大局的な質問です。公債費が歳出の50%近くを占めている現状、借入残高106億円など財政状況を見ると憂慮する数字が列挙されます。しかしながら、私の所見としては一つの社会資本を整備する状況下、言い換えれば開発途上という状況下において通過しなければならない関所を通っているというような所見をもっているところです。ですから、一般会計の繰り入れにしても市債にしても現況下では出るべくして出ている数値なのかなと考えるところです。しかしながら、事業の効率化や財源確保の努力は継続しなければなりません。
 ここで提案をさせていただきますが、この事が可能かどうか答弁をお願いしたいと思います。まず、組織上の案件ですが、上水道と下水道を一つの組織としてそれぞれを公営企業会計とする。これは、他の自治体でも行っているところがあります。そして、上水道の利益剰余金の一部を下水道会計、一般会計におけるコミュプラの管理費や浄化槽の助成金などに回せないかということです。上水道事業の利益剰余金残高は既に2,300,000億円にのぼり、これは水道事業計画では平成28年の残高に該当します。つまり、10年先を目標にしていた貯金残高を既に達成しているという状況を鑑みると現実性があると考えられます。
 本件に関し、答弁を願いたいのですが2段階に分けてお願いいたします。一つはそれが現在の法律や制度上可能なのかどうか?二つ目が、それが政策として当局がどの様に考えるか?です。
 以上、質問と致します。

御殿場市二回目答弁(杉山半十建設水道部長)
 再質問にお答えいたします。
汚水処理原価についてのお尋ねですが、施設の維持管理費と市債の元利償還費の合計額を含む資本費を有収水量で割り返したもので、1立法メートル当たりのものを汚水処理原価としております。
 施設ごとの処理原価でありますが、下水道の平成16年度の処理原価は1立法メートル当たり525円でありました。この5年前の平成11年度は、721円でしたので、5年間で約200円程度下がっております。今後整備が進み施設の利用効率が高まると処理原価はさらに下がるものと考えられます。
 農集排につきましては、供用開始間がないため、公共下水のような計算は、できませんが、参考までに平成18年度ベースで計算しますと、約435円となります。
 富士見原コミプラにつきましては、処理原価を出すのが大変困難でありますので、計算はしておりません。その理由は他事業からの受け入れによるものであるからであります。
 施設ごとの使用料の算出基礎としておりますのは、処理原価から資本費を除いた施設の維持管理費だけを有収水量で割り返した1立法メートル当たりの単価で、施設ごとの単価は、平成18年度予算ベースで試算しますと、下水道が約105円、農集排が約335円、富士見原コミプラが約250円となります。
 下水道が最も低くなっており、概ねこの使用料で浄化センターの維持管理が可能という状態になりました。今後、余裕ができれば、起債償還に振り向けていければと考えております。
 反面、農集排が約335円となっているのは、接続率が低いためで、これは、平成17年10月に処理場が本格稼動したことで、平成18年2月末現在で96戸、26%の接続であります。計画戸数333戸全てが接続すると下水道並となるものと試算しております。
 また、富士見原コミプラにつきましては、約250円となりますが、単価を1戸当たりで換算しますと、月額約5,625円となります。残りの分譲が完了し住宅建設が終了しますと定額料金である5,040円の使用料に一致してくるものと考えております。定額としている使用料につきましても、その段階で現行の定額制が良いのか、それとも改めるのか、検討すべき段階がくるものと考えております。
 なお、将来、富士岡処理区の公共下水道が供用開始となったあかつきには、接続も考えて行きたい思います。
次に2点目の財政状況に関するご質問にお答えいたします。
 まず、第1に、財政の健全化策として、下水道などへの接続率を向上させるため、私共も、啓蒙策を講じておりますが、具体的な提案につきましては、接続率を向上させる策として、参考にして行きたいと存じます。
 次に、上水道と下水道の組織統合でありますが、下水道につきましても、究極の理念としては、企業会計でということでありますが、会計相互間の支援ということにつきましては、困難であります。しかしながら、組織のみ統合ということは可能でありますが、今後の課題と受け止めさせていただきます。
 公営企業からの支援はとのお尋ねにつきましては、経営に要する経費は、受益者が料金として負担するという独立採算制が求められており地方公営企業法でも経費負担の原則が定められており、仮に剰余金が発生したからといって、安易に議員ご指摘のようにできないのが、法律上の制約であります。
以上、再質問に対する答弁とさせていただきます。

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