01年12月一般質問ライブ

 01年12月の議会で7度目の一般質問を行いました。タイトルは「幼稚園における3歳児保育の拡充について」です。御殿場市は平成14年度の園児入園募集に際し、定員をオーバーしたため、抽選により入園許可を決定しました。この処置は、公平性を欠いていると考えられ、又多くの市民の皆様からの陳情もありました。
 今回は、自発的な提案ではなく、市民の要望を受けての提案です。初めてのことなので、当局の処置について鋭く追求をしました。

「平成14年度の対応について」
質問  当市は平成14年度の3歳児保育において、1学級の定員を20名に設定し市内3園で募集を行ったところ定員をオーバーした結果、抽選を行い9名を入園不許可とした。私は、以下の理由により、この措置は適正でなかったと考える。
 憲法第26条の「教育を受ける権利の平等性が保証されている」中で、92年、文部科学省は「第三次幼稚園教育振興計画」を策定、平成13年度当初までに全ての入園希望の3歳〜5歳児を就園させること」となっている。更に幼稚園設置基準では、1学級の人数を35名以下と規定している中、25名定員の自治体もある。又、一部の幼稚園において4歳児と混合で教育する制度を設け、落選者に対する措置としているが、これは設置基準第4条の同一年齢主義に抵触している他、市民や有識者の疑問の声が大きい。その他、諸々のことからこの措置を再考し、希望者全員の入園を求めるが見解はどうか?
答弁  定員20名は、幼児一人一人に行き届いた教育ができ、好ましい運営を考えてのことである。定員をオーバーした場合、抽選により入園者を選択する自治体も多く今回の措置は適正であったと認識している。
「平成15年度以降の対応について」
質問  原里幼稚園入園希望の保護者が、全員入園を訴え約800名もの賛同者を得て署名を集めた。この様に3歳児保育の需要は高まっている。その需要を的確に捉え、希望者全員が幼稚園に入園できるよう環境整備をする必要があると考える。当市はそれについてどの様に考え、どの様な対応をするのか?
答弁  市民のニーズを認識し平成11年より3歳児保育の試行を開始した。15年以降は、総合計画3ヶ年実施計画の中で在り方を検討し具現化をする。

 当局の答弁は14年度について見直しはできないと言うことでした。しかし、公平性の観点からすると、著しくそれを欠いていると言う想いは残っております。今後も、執拗にこの問題へとり組んでいきたいと思います。
 平成15年度以降については、3ヶ年実施計画にて検討すると言うことなので一応の答弁を得たと感じております。しかし、定期的にチェックをしておかないと、又来年同様の問題が発生いたします。14年度の問題と同様、執拗にとり組んでいきたいと思います。

まずは、私の一回目の質問から

 一般質問をさせて頂きます。私は過去に数回一般質問を行っておりますが、一般質問は中長期的な施策を提案すると、いう理念で行って参りました。今回、極めて短期的で且つ具体的な要求をするのは、市民が受益を受けられる期間が極めて短いこと、市議会議員に就任してから今までで一番多くの件数で且つ熱意を持った市民からの陳情があり、早急な対応を要求するためであります。

 質問は幼稚園における3歳児保育の拡充について、@平成14年度の入園許可者選択について、A平成15年度以降の希望者全員の入園に向けての取り組みを質するものです。

 なぜ、3歳児全員の入園を要求するのか?その根拠を申し上げます。
@ 92年、文部科学省は「第三次幼稚園教育振興計画」策定。その計画は、「平成13年度当初までに全ての入園を希望する3歳〜5歳児を就園させること」となっております。
A 日本総労働組合連合(いわゆる連合)傘下に日本教職員組合がありますが、その団体の政策提言の「自治体への提言」の中に「地域の願いやニーズなど関係者の意見を踏まえ、3歳児からの保育を実現すること。またその為の条件・環境整備を図ること」となっております。
B 行政水準指標の観点からも、"幼稚園収容率"という指標があります。対象者のどのくらいを収容できるかというのがこの数字です。私は3歳から5歳の対象者において、幼稚園と保育所の収容率の和が100%でなければならないと考えております。
C 3歳児保育は子供の教育課程において非常に重要であると言うこと。先の「第三次幼稚園教育振興計画」を受け、97年、県は「静岡県幼稚園教育振興計画」を策定。更に、98年「3歳児保育の推進に向けて」という資料を発行。その中には、3歳児保育の必要性について書かれています。"重要性"ではなく更に義務に近い"必要性"という言葉で書かれております。その中には人・自然・遊びの3項目において、2年保育と3年保育の園児の発達の姿を比較をし3年保育の優位性を示しながら、3歳児保育の必要性について書かれております。
 今申し上げたことをまとめると、国及び県の動向や目標値、給与所得者の要望、そして、県が発行しているところの3歳児保育の必要性、これらを根拠に3歳児全員の入園を要求します。

 次に、この質問に至るまでの経緯を申し上げます。
 当市は市立幼稚園全体にてその定員を、平成11年40名、12年80名、13年120名と順次定員を拡大しております。これは、評価出来ると思います。
 そういった中、この夏、市民の方から、「来年の原里幼稚園の3歳児の定員を、今年と同様に確保してほしい」と陳情がありました。よく話を聞いてみると、「もし来年度、今年度と同様の定員募集をしたとすると、園舎が不足する。だから、定員減になるかもしれない。」とのことです。そして、8/28、北駿地区労働者福祉協議会は政策要求席上にてにて要望書を提出。当市の回答は、次のようなものでした。
@ 原里・玉穂・富士岡の3園にて本年同様の定員を確保する。
A 他の5園については、満4歳になった翌月から、定員を満たしていない4歳児クラスに入園できるものとする。Aについては以降、中途入園と表現します。
 @については、評価出来ると思います。しかし、中途入園については問題があると思います。中途入園については解釈が難しいと思われるので簡単に説明します。入園を希望する3歳児がいます。抽選をし、外れてしまいます。その幼児は満4歳になるまで入園を待たなくてはなりません。そして、満4歳になったとき、入園できるのは一つ上のクラスになります。
 3歳児というのは県の「3歳児保育の推進に向けて」という資料で、3歳児保育指導のあり方について、1年間を5期に細分化し保育の環境と計画について論じており、人間形成の基礎を培う重要な時期ということです。その時期に、3歳児と4歳児を同一のクラスで保育を行うというのは、問題があると思います。そして、何よりも満4歳になるまで入園出来ません。中途入園に関しては、私の所に市民の方からの苦情もありました。それも、普段、行政には無関心のいわゆる無党派・無関心層といわれる方からです。それ故、市民からは年度当初からの3歳児クラスに入園させたいという思いが強くなるだろうと予測しておりました。
 そして10/3、平成14年度の園児募集を行いましたが、原里51名、玉穂44名、富士岡36名と定員をオーバーした応募数となりました。募集要項を見ると抽選についての記載はなく、「定員をオーバーした場合は他園に行って頂くことがあります。」と、書いてあるだけで、抽選が実施されると思った保護者は少ないと思います。このことについて教育委員会を批判するつもりはありませんが、誤解した保護者も多かったことは認識して頂きたいと思います。
 そして、原里幼稚園の入園希望の保護者のグループが、抽選という事態を危惧し、10/18教育委員会に陳情。その際、陳情書と、わずか2日間で集めた約800名の署名を添えて提出しました。子育てと、家事に従事し、決して多くの余暇の時間を持たない主婦が極めて短期間で数多くの賛同者を得たということは、このグループの自分の子供を入園させたいという思いは、熱意は、我々の想像を大きく越えているのではないでしょうか?又、署名に同意した800名という市民の数からも3歳児保育を市民が求めているといえるでしょう。
 更に、10/28市長宛に陳情書を提出。11/8、回答が来ました。回答とは、@抽選により入園許可者を決定する。A平成10年の教育委員会で定員を20名と定めたため定員の増加は出来ない。複数担任も出来ない。B中途入園は有効と認識している。そして、11/13,14入園許可者を選択する抽選が行われ、13名の落選者が決定しました。

 3歳児保育について、国・の県の動向、市民の思い、当市の対応をるる申し上げましたが、ここで質問致します。
 平成14年度の入園希望者全員の入園許可を要求します。この要求に対しての見解を答弁願います。要求の理由を申し上げます。発言通告書に書いてあるとおり今、当市がおかれている状況の中で、抽選により入園許可者を選択したという処置は適正ではなかった。これが理由です。理由の根拠を申し上げます。学校教育法−学校教育法施行規則−幼稚園設置基準により幼稚園の教員、設備等が規定されていますが、幼稚園設置基準の第3条=1学級の幼児数は35名以下を原則とする。という条文があります。一クラスの定員を25名にすれば全ての入園希望者が入園できたはずです。複数担任も必要ありません。同じく第4条=学級は、学年の初めの日の前日において同じ年齢にある幼児で編制することを原則とする。つまり、3歳児は3歳児、4歳児は4歳児にて学級を編成することが原則です。当市が採ろうとしている中途入園はこの第4条に抵触しております。
 ものの例えで説明すると、国が「3歳児と4歳児にそれぞれの年代にあった映画の上映会をしなさいと通達してきた。3歳児には3歳児向けの映画を。4歳児には4歳児向けの映画を見せなさいと。その際、ホールは35名収容のホールを使いなさい。」と。そこで市は、幼児が沢山集まると騒がしいから定員は20名にして募集した。そしたら、3歳児は25名、4歳児は15名の応募があった、とします。この場合の対応として普通だったら、ホールは35名収容可能ですから、市が決めた定員をオーバーしても3歳児25名に3歳児向けの映画を見せるはずです。そうすれば、全員自分の年代にあった映画を見ることが出来ます。ところが、今、当市がやろうとしていることは、市が決めた定員を守ってくれなきゃ困るということで、3歳児に抽選をさせ、申し訳ないけど、落選した3歳児は4歳児向けの映画を見下さいと。映画は4歳児向けに作られているから、3歳児は内容が理解できない。そして3歳児は泣き出してしまい、もっと騒がしくなってしまった。こんなものの例えになると思います。
 次は、平成15年以降の対応について質問します。今後は3歳児保育の需要が高まって行くことが予想されます。その需要を的確に捉え、希望者全員が幼稚園に入園できるよう環境整備をする必要があると考えます。当市はそれについてどの様に考え、どの様な対応をするのか、答弁願います。


御殿場市一回目答弁(細谷旭教育長)
 平成14年度の募集及びその対応について、答弁いたします。本市の3歳児保育の試行は、国の「第三次幼稚園教育振興計画」及び県の「幼稚園教育振興計画」に基づき、平成11年度より余裕教室を利用して、原里・玉穂幼稚で各1クラス20名計40名、平成12年度は原里幼稚園は2クラス40名、富士岡・玉穂幼稚園は各1クラス20名計80名、平成13年度につきましては、平成12年3月に策定しました幼児児教育振興計画も考慮にいれ、富士岡幼稚園で1クラス増築し、原里・玉穂・富士岡幼稚園で各2クラス40名合計120名で実施し年次毎に学級数及び入園園児の定数を増加させてまいりました。近隣の各市の3歳児保育の実施状況でございますが、東部9市のうち7市で実施しております、1市は実施しておりません、1市は公立幼稚園はありません。実施している市は当市と同様に、余裕教室や増築等して実施しております。1クラスの定員は当市と同様に20名が5市・25名が1市・35名が1市であります。当市の1クラス20名定数は、子ども一人一人に行き届いた保育ができ、好ましい運営であるとしたものであります。当市の平成14年度の募集につきましては、富士岡幼稚園と原里幼稚園に各1クラス増築を計画して、本年度と同様に3幼稚園とも定員40名で募集しましたところ、申込み者数は原里幼稚園は51名で11名の定員オーバー、玉穂幼稚園は44名で4名の定員オーバー、富士岡幼稚園は36名で4名の定員減でありました。定員をオーバーした原里・玉穂幼稚園につきましては、申込者全員の保護者に10月下旬電話で定員増のため抽選を行う旨の連絡をいたしまして、11月1日付けで入園抽選会の通知を発送いたしまして、11月13日及び11月14日に抽選会を実施しました。抽選で漏れました13名の保護者と今後のことについて話しあったところ待機待ちが10名・定員割れの富士岡幼稚園に2名・中途入園が1名でありました。また、本年度の園児募集については、3歳児学級に入園できなかった場合には4歳の誕生日を過ぎた翌月より4歳児学級に入園することができるような配慮をし、一人でも多くの入園が叶うような方策を講じたところです。御殿場市では過去においても、定員を超えた入園希望者があった場合、止むなく抽選をさせていただきましたが、東部9市のうち3歳児保育を実施している7市の平成13年度定員を超えた場合の入園決定は、全て抽選で決めております。したがいまして、今回の入園方法は適正であったと認識しております。平成15年度以降の対応について、答弁いたします。本市では、平成11年度より3歳児保育は試行の形で種々研究してまいりましたが平成15年度以降については試行から本格実施に向けて検討を考えております。しかしながら3歳児保育を更にすすめるためには保育をする教室を増築しなければなりません。したがいまして、御殿場・かまど・神山・森の腰・原里西幼稚園につきましても、敷地・施設の状況や民間の幼稚園との調整及び今後人口増が見込まれます神山の平石住宅団地・大坂の富士見原住宅団地・北畑の住宅団地等の状況を勘案して3歳児保育をどうあるべきか検討してまいります。


ホーム戻る 次ページ次へ

ホーム